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Noran

のらん

20241130
お読み下さりありがとうございます🙏💖削除した作品はエブリスタに移行しました。↓
https://estar.jp/users/1634115553
(由汰のらん名義)ありがとうございました🙇

また現在残っている作品はJOR以外、野いちご、ベリカに移行します。(あまり需要がなさそうなものはこのままドボンします💦)

ゆんた名義のファンタジー系はアルファポリス、なろうにあった気が…

出張のお供に「格別」の旅をお届け。六神✕春風✕先輩


私のあのような小説をお読み頂き誠にありがとうございますm(_ _)m🙏『ゆれて、ふれて〜』にもコメントやスタンプやしおりありがとうございます🙏✨


蝉が鳴き始めた今日このごろですが、我が家にはクワガタが飛んできました。マンションのベランダのガラスに突進してきて、仰向けにころがっていました。

私が外に出て、クワガタを緑のあるところに離すと、すぐに鳩に食べられました。


今日も暑くなりそうですね!




· · • • • ✤ • • • · ·· · • • • ✤ • • • · ·· ·



名古屋港で物流危機が訪れている。


コンテナの搬出入を一元的に管理するシステム障害が発生し、コンテナの搬出入が停止しているのだ。


「先方から横浜港着に変更してくれって言われたって、名古屋のコンテナが動かせないなら無理に決まってんじゃん!」

「再製造して横浜から出港するから、今滞ってる商品をうちに買い取ってほしいって?無茶いうな!」

「あっちもこっちも電話なりっぱなしで最悪!名古屋は名古屋で解決して!」


事務所がてんやわんやの中、私は優雅に新幹線のグリーン車に乗っていた。


うちの会社では、国際営業部の事務員は一年に一度、研修のため出張に行かなければならない。 

 
車の貿易が盛んな名古屋港は、日本でも一位を誇る貿易港。自動車や半導体の輸出について学ぶため、私は研修で出張に行く途中なのだが。


おかしいな。目の錯覚かな。


私って一課の所属だし、三課の人間や本部の上司が隣にいるなんてことはあり得ないはずなんだけどな。


「たまたま実来が研修に行く日と名古屋出張が被っただけであえて出張申請なんて出してないし」

「しょうがないよね、システム障害なんだから。課長の僕が現状を把握しにいかないと。」



「そうですか。だとしてもこんなに空席だらけのグリーン車でどうしてこうも固まりますかね?!」


広めの二列シートで、私の左隣にはなぜか六神が、そして通路を挟んだ右の座席には朋政先輩が座っていた。


六神はスマホゲームに興じていて、先輩は脚を組み日経新聞を読んでいる。んなあほな。


「総務にどんなスキル使ったらこんな器用に出張の日が被る?座席が並ぶ?!」


私がアーモンドミルクコーヒー入のタンブラー片手に、ポリッピーをつまみながら言った。

  
「あーそういや課長って総務の若い女性と連絡先交換してましたもんね。まあ手駒にすれば出張の一つや二つ、いくらでも操作できますもんね。」

「はい六神君アウトー。今の女性に対する“手駒”発言、セクハラモラハラにより役員会にてパワポのプレゼン付始末書案件ー。」
 
「課長のその発言もセカンドハラスメントになるらしいですよ?ほら二次被害ってやつですよ。あ、春風ポリッピーひとつちょーだい」
 

六神が口を開け、私に放り込めと指図する。すると先輩が、鞄から先輩愛用の衣類用アロマミストを取り出し、私に渡した。
 

「春風、これ彼の口の中に噴射するといいよ。」

「え?!」

「少しは減らず口が減るだろうから。」

「…やるなら先輩が直接やったらどうです?なんだかんだいって先輩と六神って仲いいんだからあ★うふふ」


私が仲を取り持つために心を込めて言うと、六神が窓の外を見て「富士山きれーだなー」とつぶやき、先輩が私の顔面に向かってミストを噴射しようとした。


なにが駄目だったのか、誠に遺憾である。



「春風は今欲しいものある?」

「え?欲しいもの?」

「ボーナス出たしお兄さんがなんか買ってあげよっか」

「ええ、いいですよそんなの。これ以上借りとか作りたくないですし。」


先輩が通路から手を伸ばし、私のミディアムヘアをふわりと持ち上げ、耳を観察してくる。


「春風はピアスしないの?」
「しませんね。」
「じゃあ首輪とリードは好き?あとポチの器にペディグリーチャム。」
「馬鹿にしてます?」

 
私が怒った顔を向けると、先輩に「格別愛らしい」ととろけた笑顔で言われた。


「格別イラつくんで人の彼女に手え出すのやめてもらってもいいです?朋政たらし課長。」

「ああごめんごめん格別無意識だったよゆがみ千都世君。」

「欲しいもんなら格別彼氏である俺が買うんでどーぞお気になさらず」

「じゃあ今回の僕の格別ボーナスは実来春風貯金に回すね?」



「あ、先輩さすがにそれは格別きもいです。」


私が鳩レースの専門誌『愛鳩の友社』を読みながらポリッピーを食べ、声だけで先輩に伝える。
 

「むしろ一課のお局とか三課のお局とか総務の女史に買ってあげたら喜ばれるんじゃないっすか」
 
「彼女たちにはわざわざ買わなくとも日頃から僕との会話による癒やしをあげてるからね。」
 
「いやー響かんわあ」


六神が、先輩を上司だということも忘れ面倒くさそうに言うもんだから、さすがに脚を叩いてやった。


 
「春風はボーナスはいつもどうしてるの?」


先輩に勝手にタンブラーを強奪され飲まれる。戻ってきたタンブラーを六神が手に取り、私のテーブルにあった除菌シートで丁寧に口周りを拭いていく。


「ああ、私の分はもう払い終わったんですけど、まだ弟の奨学金が残ってるのでそれに回してます。」

「…え。まじで」
「は。そうなの?」
 
「はい。そうですけど……?」 


その時、車内販売のワゴンサービスがやってくる。
花柄のスカーフを巻き、髪をきっちり一つに纏めたお姉さんが、お決まりのセリフを口ずさみながら近付いてきた。


「サンドイッチに〜おつまみぃ、お弁当、淹れ立ての薫り高いコーヒー、フレッシュジュースはぁいかがですかあ。北海道産の生乳を使ったバニラアイスクリームにピスタチオアイスクリーム、お求めの際はぁお声掛け下さいー」


先輩が手を振り、お姉さんとワゴンを引き止めた。


「サンドイッチと酢イカと牡蠣の燻製とパインジュースとバニラアイス下さーい」

「あ、俺はチーカマとミックスナッツと穴子弁当とマンゴージュースとピスタチオアイスください」



「は、はい、かしこまりました!」

 
二人とも、頼みすぎじゃない?


お姉さんがあたふたし始めて、先輩が「ゆっくりで大丈夫ですよ?」と声をかける。お姉さんが先輩を見て顔を赤くした。

おい、いつもの鬼どこいったよ。


 
数分して、私のテーブルには大漁の食べ物と飲み物が置かれていた。


「は?なにこの一人大宴会。」


「これ以上ひもじい思いはさせないから今すぐ僕と結婚しよ。」 
「心も身体も俺が満たしてやるから今すぐ六神春風になろうな。」


う〜ん格別に響かんなあ。






【オワ】






コメント

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  • Noran

    ゆり様
    いつもありがとうございます😭✨六神のヤキモチ研究していきたいと思います。本当に嬉しいお言葉ありがとうございます🙏🙏🙏

  • りー

    Noran先生〜!まさかのお返事頂けて光栄です✨ありがとうございます!私は一読者なので先生ではありませんが😂💦六神くんのヤキモチが知れて嬉しいです、、可愛いですね、尊い、、デロ甘い💓これからまた見返してきます!素敵な作品をありがとうございます大好きです〜😍

  • Noran

    ゆり先生様
    本編にもこちらにもコメントありがとうございます🥹🙏✨六神のかのじょにあいてー発言はまさにその通りでございます。春風が平然と「六神には彼女いるし」と言ったことに対する対抗意識?とブランドもんの腕時計をはめていた春風への当てつけとして受け取っていただければこれ幸いです。私のキュンはいつもずれているため、そのように言って頂けて嬉しい限りです😭✨本当にありがとうございましたm(_ _)m

  • りー

    Noran先生、素敵な作品をありがとうございます!キュンキュンしながたら拝見させて頂きました!完結さみしいです...😭💓六神くんが居酒屋で彼女にあいたい〜って言っていたのは、春風ちゃんにヤキモチ妬いて欲しかったからですか?(゚ω゚)番外編の更新たのしみにしています😍

  • Noran

    yume様
    いつもありがとうございますm(_ _)m私も3人と鳩の攻防一生書いていられます。除菌シートはやっぱりキレイキレイですよね!でも携帯用除菌シートって一回でなくなるからロールで持ち歩きたいです。ハリーポッター私もいきたいです🤗💖ありがとうございました🙏✨