香椎VS朋政VS里夏 不良時代を生きる
おにぎりに汁物詰めたら怒られて冷めた目で静観すればあら不思議。コガネムシが生還した。いっつもおんねん。うちの玄関にかならずといっていいほどな。
年がら年中コガネムシが横たわってんねん。だから通報したら、虫コナーズ置いとけば万事解決って警察に言われて、あ、そうですか。って。
薬局いって虫コナーズ買ったらそこにはおにぎり大量に買ううちのおかんがおってん。
なにしよる?聞いたら、おにぎりの中におにぎり詰めよう思うてな。って言うから、そうですか。って返したら、一緒に虫コナーズこうてくれた。
スタンプにコメントにシーンに和太鼓にファン登録、ありがとうございます🙏🙏🙏💕
今回は不良対不良対不良の話でいきます。
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「みてみて心晴ー!あそこに絶滅危惧種が沢山いるよ!」
果たして沢山いる時点でそれは絶滅危惧種なのか。
10歳の実来春風はその頃から怖いもの知らずだった。
川の土手には、夕焼けをバックに不良たちが戦っている。
春風は目を輝かせ、不良のいる土手へと走っていく。
「あ、だめだよお姉ちゃん!どこにでも突っ込んでいくその習性、いい加減絶滅させなよー!」
春風を追う弟の心晴8歳。奔放な姉とはちがって冷静沈着。
しかしちょっとだけ怖いもの見たさもある心晴。ちゃっかり春風を盾に、ゆっくり追いかけるのであった。
土手では不良と不良がしょうもない理由で戦っていた。
「朋政!!お前今日という今日は許さんぞ!よくも俺の画像を加工して女体化してくれたなあ!!」
「香椎を女体化すると外国のニューハーフ並に可愛いね!うちの学校では今や呪いの画像として出回っているよ!」
香椎寿佐15歳、朋政青司15歳。
2人はそれぞれチームを従えた総長。そして犬猿の仲であった。
「呪いの成果を今ここで発揮させてやるよ!香椎家直伝、秘儀、財産絞り!」
香椎のその掛け声で、朋政の所持するスマホに1通のアラート音が鳴る。
「なっ、ぼ、僕の保持する株が右肩下がりだと?!なに?!どういうことだ!」
「お前が持っている株はお見通しなんだよ!お前が好きなゲームの会社は個人情報漏洩問題で今訴訟沙汰になってるんだ!」
「な!汚いぞ香椎!まさかムラノの社員使って訴訟起こさせたんじゃないだろうな?!」
「訴訟を取り下げてほしかったら今すぐ全裸で川に流れな!!」
え?全裸で川に流れる?桃太郎の桃の中の桃太郎のように?
それを聞いた春風は興味津津だった。
「お兄ちゃん!!今から全裸で川に流れるの?!ねえ全裸で流れるの!?寒くないっ?!」
無謀すぎる10歳女児。
チーム50名近くを従えた香椎と朋政が対峙する真ん中に割って入る。コミュ力の神も頭が上がらない。
目を輝かせ、赤いランドセルを背負う春風が朋政青司に詰め寄る。その春風を見て朋政は思った。
「(何だコイツ。妙に僕の中のS欲を煽ってきやがる!)」
朋政は春風のランドセルに刺さっていたリコーダーを奪い取り、天高く掲げる。
「ふん。お前のリコーダーなんてぶっ壊してやる!」
「あー!!やだやだやめて!!それ叔母さんの大事なお下がりなの!!」
「叔母さんの大事なお下がり真っ二つにしてやる!」
「うわーーん!!恐喝罪と脅迫罪で訴えてやるー!!」
春風がぴょんぴょん飛び跳ねて朋政の手から取ろうとする。しかし朋政は面白がって一向に返そうとはしない。
「おい!お前ら俺を無視すんな!!そこのチビもリコーダーなんてまた買やいいだろッ!!」
怒った香椎が朋政からリコーダーを取り上げる。
しかし次第に叔母さんから貰った大事なリコーダーは、香椎と朋政によりダーツのように投げられキャッチボールされることになった。
「ほら取ってみろよチビっ」
「リコーダーの飛距離えげつねえな。意外と楽しいわ!」
「うわーーーーん!!助けてセーラー◯ーーーン!!」
大泣きしているようで涙は一切流れていない春風。ただ大声でセーラー◯ーンとわめいているだけだった。
心晴が目も当てられないしょうもない惨事に、大きなため息をつく。仕方なくランドセルに付けていた防犯ブザーを引き抜こうとした時だった。
「ふざけんなよこの脳味噌カニ味噌野郎ども!」
心晴の隣には、ランドセルを右肩だけに背負う、叶恵里夏10歳の姿があった。隣の学区の女生徒だ。
「姐さん!」
「姐さんッっちわーす!!」
突如、香椎のチームにいた連中と朋政のチームにいた連中が皆頭を下げる。
里夏が土手をズザザーと滑り下り、春風の前に立ちはだかる。
「何だお前。なんでうちの輩が頭下げてんだよ?」
背の高い香椎が里夏を睨みつけるも、里夏はその威圧感をものともせず睨み返した。
「中学生が寄ってたかって馬鹿じゃねーの?女の子のリコーダー舐めるなら見えねーとこでそっとやれよ!」
「舐めてねえし!」
「叔母さんのお下がりだって聞いたら舐めれないよ。」
そうだ。万が一にも好きな子のリコーダーだとしても元をただせば叔母さんのリコーダーなのだ。
好きな子を介して叔母さんと関節キスをしてしまうことになる。
いやそうではない。
「さっさと返しな不良ども!」
大人顔負けのスタイルと美貌を誇る里夏が髪を手でなびかせ、香椎と朋政をそれぞれ睨み威嚇する。
「わあセーラー◯ーン並のスタイル!あなたモデルさんみたい!」
春風が目を爛々と輝かせ里夏を見つめる。
「まあねえ。」(cv:田辺さん)
里夏はちょっと照れながらも春風にドヤ顔を向けた。
そんなお高く止まる里夏にイラッときた香椎と朋政。二人は躊躇なく里夏のスカートに手を伸ばす。
「伊達に見せパン履いてねえわ!ざけんなよ盗んだバイクで走り出す15の野郎どもっ!!」
「「見せパン糞反対!!」」
朋政には頭突きからのラリアット、香椎には飛び蹴りからのムーンサルトプレスをきめ、最後にまとめて二人にギロチンドロップをきめた里夏。
周りのチームの輩は微動だに出来ず、一堂青白い顔でその脚は震えている。
里夏は土手に転がったリコーダーを拾い、春風に渡すと言った。
「叔母さんの形見、大事にしなよ。」
「ありがとう!でも叔母さん死んでないよ!」
土手を颯爽と登り、心晴の隣に戻った里夏が心晴にふっとドヤ顔の笑顔を向ける。
なんか、イラッときた心晴。
去りゆく里夏の後ろから里夏のスカートをめくった。
「きゃっ」
さっきまでの地獄の死刑執行人の彼女ではない。
見せパンの癖に見られるのが恥ずかしいというようにスカートの裾を抑える女の子の姿だ。
「(あ、やばい。好き。)」
肘を構え、心晴にエルボーパッドを繰り出そうとした里夏。
「心晴っ!!」
春風が心晴を呼ぶ声が聞こえて、咄嗟に心晴の顔面スレスレから肘を引っ込めた。
「ちっ」
舌打ちをし、不満気に去って行く里夏。しかしその顔は紅く染まっていた。
「(初めてスカートめくられた!)」
二人が出会うのはもう少し先の話である。
【end】
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コメント
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- Noran
ゆり様
あの4人テーマパークで、青がうっかりちゃっかり口を滑らせたやつですね🤭ほんと読んで下さってるんだなあと感動しちゃいます😭🙏連休中にはアップできたらなあと思います。またお知らせしますね🤗💕 - りー
ありがとうございます!!!本編とベッターを読み返して、改めてキュンキュンしていました☺️💕ほんと推したちが好きすぎます、、😮💨もし機会があれば春風と青くんとしちゃった事が六神にバレた時の遊園地の夜編も覗いてみたいです😍♡
- Noran
ゆり様
いつもありがとうございます😭✨そういえば六神&春風がなかなか一緒に登場せずですね😂六神、間違いなく小さい春風には甘々だと思います。素敵なネタをありがとうございます🙏✨ - りー
え!え!推したちが登場してて最高すぎます!ありがとうございます🥰里夏かっこいい!そして、春風かわいすぎぃ🥰春風の小さい頃、六神もみたいだろうなぁと妄想しちゃいました🤣♡