時は平安。白雪は世界を滅ぼす鬼──酒呑童子を封じている朝廷の神子。
神子は代々女しか生まれないのだが、男として生を受けた白雪は性別を隠し、女として生きてきた。
封印の儀ではその身を鬼に捧げ、犯される日々。心も擦り減り、白雪を見た者は神子と崇める一方で、笑いも怒りもしない人形と呼ぶようになる。
十八になったある日、白雪に神子の血を繋ぐための交配相手、占星術で選ばれた霊力の高い男──紅楼があてがわれる。
女と偽っている白雪が絶体絶命のまま迎えた初夜。口止めに失敗すれば殺すしかないと短剣を懐に隠し、彼と対峙するが、紅楼は白雪を本当の故郷に連れ帰るのが目的だと言う。その正体は必要悪として利用された酒吞童子本人であり、一族の汚名を晴らすべく動いているという。
「俺の手を取り、その運命を変えるか。お前が選べ」
迷いながら白雪はその手を取る。
故郷までの旅路、紅楼との触れ合いを通して自分を縛る運命を壊す決意をする。
BL
- #切ない
- #大人
- #BL
- #和風
- #和風ファンタジー
- #平安時代
- #BLファンタジー