弄月鬼、二章・第二話
*怜月が美月に贈った、和歌について〜
これは文中で美月が言っていたように、源氏物語に登場する和歌をもじったものです。
光の君は、憧れの人の面影を幼い若紫に見出して、手元に引き取って大事に大事に育て、いつかは妻に__といった筋書きですから、風間さんがいらだつのは当然の事かと。
そして怜月が、和歌を微妙に変えて書いたのも、当然わざとです。
女心と秋の空、男心と秋の空__なんて、昔から言うように、秋はその変わりやすい空模様から、心変わりのたとえとして使われます。
薄紅葉とは、美月の事を。秋空は、心模様を。そこに吹く“風”は⋯⋯ええ、もちろん。今、あなた様が思い浮かべた、その人です。
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