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秋風 紫雨

あきかぜ しう

pixivでも同じ作者名で、加筆修正版の弄月鬼(名前変換あり)を公開しております。良かったら、そちらにも遊びに来てくださいませ。

弄月鬼、四章・第四話



*江戸市中における井戸について〜

 白兎が長柄杓でもって水を汲み上げる場面で、気付かれた方もおられるかもしれませんが⋯⋯江戸市中の井戸の深さは京都などとは比べるまでもなく、とても浅かったそうです。

それとゆうものの、基本的に井戸とは地下の水脈にぶち当たるまで掘って掘って掘りまくる、といった方式で作られていますが、海が近かった江戸の町でそれをしてしまうと水に海水が混じってしまい、生活用水には向かない井戸となってしまうからだとか。

 けれど深く掘らなければ水は出ないのだから「さあ困ったぞ」と、なりますよね。

あ__湧水などは例外ですね。手間もお金もかけず貴重な水が得られたのですから、昔の人々が湧水を神聖な物として大切にしていたのも頷けます。

 人間が生きていくには当然、水が必要で、都市が発展する上でもなくてはならない物です。

しかし、江戸市中で井戸を掘っても真水は得られない。

じゃあ、どうするのか?江戸の町づくりを任された昔の人々は、考えぬいた末に思いつきました。江戸には海へとそそぐ大きな川がある、これを利用しない手はないじゃないかと⋯⋯

そう、江戸にはなんと水道があったのです!その水の取り出し口が、先の井戸だったとゆうわけですね。

 なんだか文章で書くと、さらっとやってのけたみたいに感じられてしまうんですが⋯⋯

水を汲み上げるポンプも掘削機も、何もない時代。計画・構想から着工、完成に至るまでどれほどの時間と労力、資金がかかったのか、ちょっと想像するだけで気が遠くなりそう。『すごいな昔の人』と、心からの賛辞を贈りたい。

もちろん現代にもすごい人は沢山いますが、足りない中で工夫の末に生まれた技術とゆうのは、やはり賞賛に値する卓越した物だと思うのです。

 余談になりますが、地理的にどうしても水を引けない地区には、その名も“水屋”が水を売りにきていたそうですよ。

 今後も、こういった豆知識的な事を混じえて書いていこうかなと考えております。よろしければ、お付き合いくださいね。


 話は変わりますが⋯⋯

文中で風間さんが『口は禍の門、舌は身を斬る刀なり__』と、ことわざめいた事を白兎に言い聞かせていましたが、これは“口は災いの元”の語源となった古事の詩の一節です。

正直「風間さんが、それを言うの?」って感じなんですが、あの頭領様はあえてそうしていると思うので、皆様も大目にみてくださると⋯⋯。

あれでも白兎を心配してるんです、たぶん。

 ちなみに、現代ではモラハラと問題視されそうな、タバコの煙を吹きかけるといった行為も、昔は様々な意味を含んでいたとか。ご興味がおありでしたら、ぜひ調べてみてくださいね。



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