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むにえな

猫に餓え渇く者は幸いである。
その者は満たされるであろう。

猫は仕えるためでなく仕えられるために来られた。
天の国は猫のような者のためにある。

私たちではなく、猫よ、私たちではなく、御名が尊まれますように。

エスペラントけっこう楽しい

2週間ほど前に日本エスペラント協会からエスペラントの月刊誌が届いたわけですが。「エスペラントを普及させるのは想いに反してヨーロッパ至上主義になってしまう。日本人がお金を出すなら日本語まわりの機械翻訳にしたほうがよいのでは」という実にもっともな意見が載ってましてね。なかなか鋭い意見だと思う。エスペラントを好む人が自由に使うのはいいことだしそれはそれでひとつの文化ではあるけれど、エスペラントには「世界に広めよう」という運動がつきものなのはあるからね。

私の個人的な印象なんだけど、エスペラントはなんか言語版のユーロみたいな印象ではある。エスペラントで太陽はsunoで月はlunoなんだけど、英語のsunやフランス語のluneにそっくり。水はakvoで人はhomoで手はmanoで足はpiedoで父はpatroと、どうしてもヨーロッパ感があるしなぁ。英語やフランス語やドイツ語と比較しながらエスペラントの単語を学んでいると、やはり語彙はヨーロッパの言語に近い印象が強いね。まあ、誰にでも公平な言語は誰にとっても使いにくいとは思う。ロジバンの習得は試みたこともあるけど実に難しかったし、率直に言ってトキポナの単語ですらちょっと覚えにくい。実用性を踏まえて現実的なことを考えるなら偏るのは仕方ないとは思うけど。でも現実的なことを考えるなら100万人とかしか話者がいなくて公用語にしてる国もないエスペラントはどこに行ってもほとんど通じないからなぁ。言うほど公平な印象は受けないし言うほど世界の共通語になる可能性も感じないから、エスペラントが普及するより機械翻訳の精度が上がるほうが遥かにありそうな未来なんだよね。正直、英語ですらそう遠くないうちに学習にそこまで労力を払わない時代が来るような気はしている。もちろんエスペラントを勉強したいと思うやる気のある人は将来もいるだろうけど、国際補助語として実用に耐えるにはそこまで労力をかけたいと思わない人が使いこなせないといけないだろうし。

私はエスペラントを「ちいさなコミュニティで通じる仲間内の符丁」ぐらいに思ってるかな。少数の仲間に抱け通じるものと割りきって使えば「わざわざこの言語を選んで学んだ仲間」って感じの仲間意識と交流への意欲がある人がそこそこいるので、頭数に比べればかなり楽しめてるしね。Twitterでもエスぺランチストからの反応があったりする。便利な世の中だ。あと人工言語という性格上、言語について考えるきっかけにもなったね。語学や言語学に興味をもったきっかけがエスペラントというのはある。まあ、そもそもある程度の語学に対する興味があったからエスペラントを学んだのだけど。あとエスペラントの語彙がロマンス語やゲルマン語に偏ってるから、それ系統の語学をやるときに役に立ったのはある。スペイン語講座をやってるVライバーの配信に通ってスペイン語検定に受かったけど、エスペラントの知識があったので「強くてニューゲーム」みたいな感じはやっぱりあったからなぁ。言うほど習得が簡単だとは思ってないけど、やはり文法の規則性や造語法などを考えると簡単なほうだとは思うしね。なので「公平な共通語として普及させる」というのは(私は)別に考えてもいないけど、まあ、意外と楽しめたりするかもしれないから興味があるなら首を突っ込むのも人生の思い出にはなる、ぐらいには思ってる。少なくとも私はエスペラントを勉強してすごくよかった。仲間もできたしね。

まあ、熱心なエスぺランチストが言うほど素晴らしいものかはともかく、趣味のひとつとしてはなかなか楽しい。「経済大国の公用語あたりを学んで仕事や旅行などに役立てるのが普通の人にとっての語学」ではあると思うけど。発展途上国の公用語にもなっていないような言語を学ぶのも、私としては思ったより楽しいので人生は楽しいなぁ。

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