ファン
15

むにえな

猫に餓え渇く者は幸いである。
その者は満たされるであろう。

猫は仕えるためでなく仕えられるために来られた。
天の国は猫のような者のためにある。

私たちではなく、猫よ、私たちではなく、御名が尊まれますように。

砂漠に住むインド人

父親が中央にレバーを寄せてある蛇口を見て怒っていた。曰く、「お湯が少しずつ出るからもったいない」のだそうで。水だけが出るようにレバーを端に寄せるべきだ、というらしい。水だけ出るようにしていると水流が弱くてちょっと使いづらいのだが、たいして料理や皿洗いををしない父親にはさほど関心はないのかもしれないね。

そんな父は吝嗇に徹しているのかというと、毎晩たくさんのお酒を飲んでいる。なんなら朝から飲んでいる。そのお酒を控えたらお金だけでなく健康も手に入ると思うのだが。もちろん酔いつぶれれば電気もテレビもつけっぱなしで床に転がって寝ている。

「砂漠に住むインド人は魚を食べることをたやすく禁じる」と言ったのはゲーテだったと思うが、たぶん人間そんなもんだろう。私もたいして上等な生き物ではないし。

人を乗せたロケットを飛ばして月まで行き、日常的にGPSなど宇宙からの恩恵を受けているほどの偉業を成し遂げた人間が、我が身をさほど振り返れずダイエットひとつすぐに失敗するほどの度し難い生き物だと知ることは、なんか人間が愛しく思えてくるね。そんな今日は宇宙の日。

コメント

ログインするとコメントが投稿できます

まだコメントがありません