言語を学ぶことは楽しい
『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』を読んでみてる。まあ、それなりに面白い。
面白い本だとは思うんだけど「その言語を学ぶことでどれだけの人とコミュニケーションが取れるのか」に関心があって話者数を重要視する著者とは趣味が合わないな。私は人工言語であるエスペラントやトキポナを使い、部屋にアイヌ語やロマニ語やバスク語のテキストがあるタイプなので。もちろん世間的にはこの著者のほうが評価されるだろう。
「語学には文法などから入る論理的な学習と使えるフレーズから入る感覚的な学習がある」みたいな話で後者のほうを推奨してもいた。文法から入るのは遠回りではないかと。個人的には逆である。使えるフレーズとやらを覚えようとしても頭に入らないしそこから広がりもしない。こちらは理解しないと頭に入らないのである。まあ、コミュニケーションを取りたい著者と言語を学ぶことが楽しいだけの私では向き不向きがまるで違うのだろう。そんな私でもホテルで給仕をしてくれたのがベトナム人ならベトナム語でお礼を言うし、アンデス音楽のコンサートに行ったらそのペルー人をスペイン語で褒めてきたけど。実際に交流するのは楽しいとは思っている。
その意味では「リスニングやスピーキングに力を入れないと使えるようになれない」というのもいまいち分からんな。こちらはXでも文字で交流しているしBlueskyに至ってはエスペラントで書き込み続けているので。やろうとしていることが違うのだろうなぁ。でもスペイン人と文通したときに筆記体のエスペラントで返信が来たのは正直読みにくかった。
外国語を学ぶメリットを列挙しているのもよいといえばよいのだが、う~ん、そういうものかなぁという気持ちもあるといえばある。メリットでやるのではなく「ただ学ぶことが楽しいから」ではダメなのだろうか。「1円のお金にもならない勉強なんて子どもの習い事と一緒だ」と言ったとある行政書士が私を見たら珍獣にしか思えないんだろうなぁ。もちろん世間は著者のほうを評価するだろう。
最近読んだものでいうと黒田龍之助の『世界の言語入門』のほうが好みだったかな。90言語について少しずついろいろ書いてあるエッセイで面白かった。アイヌ語が項目にあったのは嬉しかったねぇ。エスペラントはなかったけど。自然言語を挙げているのかな? 個人的にはクリンゴン語や高地ヴァリリア語とかについてなんて述べるか興味があったんだけど。
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