月臣くにひと

魔法戦艦リュケイオン
++放浪編++

家族の時間

「母として、女として。」【1】

◇ ◆ ◇

[序]

「母さん、人間は何んのために生きるの?」
ある日長男の剛徳(タケノリ)が私に聞いた。
「それはね、大きな幸せをみんな一緒に楽しむためよ。」
私は迷わずそう答えた。
「大きな幸せをみんなで、か・・・」
漠然とした面持ちで、積乱雲の立ち昇る夏空を見上…