友達も彼氏もいない。スポーツも勉強もできない、そのうえ顔もスタイルも悪い。クラスカースト最下位のいじめられっ子な陰キャなが、ある日突然、異世界転移して、聖女として崇められる。
逆ハー?と浮かれていたけれど、陰で『贅肉聖女』と呼ばれているのを耳にしてしまい、復讐することにした。
けど……なんで?復讐…
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物語全体のあらすじ
桜井
美人の趣味は自分をいじめる奴らを懲らしめる妄想。(妄想をすることで精神を保っていた)
家庭環境もさほどよくなく、安月給サラリーマンの父親とパートの母親はいつも喧嘩ばかり。五歳年下の弟からはコレステロール菌呼ばわり。
『美人』という悪意しか感じないキラキラネームをつけられたこともあり、両親を憎んでいた。
そんなある日。
自転車で帰宅していた美人は車に轢き逃げされる。
――美人だったら助けて貰えたのか……としょうもないことを思っていた美人は、ちょうど倒れた先か、思い出の場所だったことに気づく。
そして目が覚めると、神殿のような場所にいた。
美人はラーベル国に『災厄』に対抗する存在の『聖女』として召喚されたらしい。
周りはイケメンや美女ばかり。『ミト様』と呼ばれチヤホヤされ、逆ハー、チート、美醜逆転に違いないと浮かれていた美人だったが、そんなわけもなく、裏で『贅肉聖女』『肉団子聖女』と呼ばれているのを耳にしてしまう。
美人は聖女の権限で彼らに復讐をしたり、懲らしめる妄想をするのだが、なぜか対象相手に幸せが訪れ、感謝されてしまう。
これが聖女の力だというなら、復讐などしないほうがよいと思うものの、長年の恨みクセは抜けず、ついつい懲らしめる妄想をして、周りの人間を幸せにしていく。
しかしそんな中、唯一、恨んだり、懲らしめる妄想のできない相手がいた。
ルカという名の、聖女の護衛をする聖騎士だ。
彼は美人が小学五年生の頃に転校してきて、一学期だけクラスメイトだった、
戸野坂はずっと暗黒時代であるミトの学校生活の中で、唯一、いじめから庇ってくれた男の子だった。
すぐに転校したけれど、優しかった彼のことを忘れられなかった美人。
別人だとわかっていても、ルカを懲らしめる妄想すらできない美人だったが、ルカに実は『災厄』で、美人を利用してようとしていた。