世界を変えたいと願う主人公・レオンが助けたのは、洞窟の奥で倒れていた5人の少年少女。しかもこの少年たち、「異世界から来た」とか言い出して……!?
異世界転移「された側」が紡ぐ、転移と世界革命の物語。

《物語全体のあらすじ》

ここは、シトラン星。その星にある小さな村、アプリティア村では獣人族が細々と暮らしていた。


時は、星暦5007年。

アプリティア村に住む獣人族の少年・レオンは、毎日農作業の傍ら、村のはずれにある龍の形の岩に祈りを捧げていた。ある日、いつもの様にお祈りをしていたレオンは、頭の中に誰かの声が響くのを感じた。


「洞窟の中へ来い。そうすればお前の願いは叶う」


と言うその声に導かれるまま、レオンは岩の近くの洞窟へと足を進める。その洞窟の中でレオンが見たのは、見慣れない服を着た3人の少年と2人の少女だった。


5人を村へと運んだレオンは、村人と共に5人の看病をする。その甲斐あってか目を覚ました5人。しかし、レオンたちを見て混乱しているため、レオンが問いただすと、1人の少年が言った。


「ここはどこだ?」


訳が分からないと言う少年にレオンが星の名前や地名を言うと、少年はただ一言呟いた。


「俺たちは、ここじゃない場所から来た」


そして、少年たちは村人に『地球』という名の星の『日本』という国に住む人間だと話す。最初は聞いたことも無い地名に戸惑う村人たちだったが、話していくうちに個性豊かな5人を気に入り、村に住まわせ、協力して暮らすようになる。


5人と共に暮らし始めて3ヶ月程たった頃、元気いっぱいの少女・瑞季がレオンに、なぜ毎日岩に祈っているのかと問う。レオンは迷いながらも、答えた。


「幼い頃に引き離された少女・ユリアを助け、この世界を変えて欲しいから」


そして、レオンは自らの過去、星の状態を語る。

星王はわがままな人間で、我欲のために美しい少女を攫い、囲っているという噂があること。その星王に目をつけられ、幼なじみであるユリアが攫われてしまったこと。村人たちは星王の部下の魔法使いに魔法をかけられ、ユリアのことを忘れてしまったが、自分とユリアの妹・チュリナは偶然村の外にいたため、魔法にかからず、攫った現場を目撃したこと。そして、ユリアを星王の手から救い出し、もし星王が噂の通りなら、この星は良くない状態だと思うから、この星を変えたいのだということ。


その言葉を聞いた瑞季は、レオンに言う。


「救いたいというのなら、世界を変えたいというなら、願ってるだけじゃ意味が無いわ。あなた自身が動くのよ!私達も、手伝うから」


こうしてレオンと5人の世界革命物語は、幕を開けた…