『人の夢の話はつまらない』
これはよく言われている事だし、僕の17年の人生経験からでもそう思う。
その根拠を説明させてもらうとするなら、まず自分すらもよくわかっていない事柄を人に説明したところで、話にまとまりがなくて意味が分からない。それと、自分の視覚や感覚の情報を他人に伝えるのは困難で、結果的に聞く側としてはつまらない話になる。……ってところだろうか。
これを避けるには脚色や補足が必要だが、それもやりすぎるとただの嘘になってしまう。
総じて、人の夢の話しはつまらないと言えるだろう。
だけどあの日だけは違ったんだ。周りのみんなが昨晩どんな夢を見たかと聞いて回っていた。……いや違う。僕の周りだけじゃない、日本中のみんなだ。だけどそれもそのはずだ、きっともうあんな事は人生で二度と起こることは無いだろう。
だってそうだろ? 日本に住むすべての人間が、同じ夢を見たんだから。