衝動的に仕事を辞めてしまったひなは、自堕落な日々を過ごしていた。
ある日、買い物帰りの公園で、不思議な雰囲気を持つ男性に出会う。
冷ややかな表情と、人間離れした陶器のような白い肌。
思わず、声をかける。
「私、あなたに一目惚れしちゃいました」
「……第一声がそれですか?」
「隠し事できないタイプなんですよ」
「そうですか。……ところで、私は死神なんですが、どうして私が見えるのでしょうか?」
「……え?」
「ああ……なるほど。どうやら、あなたは後10日で死ぬようです。それも、なんと自殺です」
「…………え?」
私が一目惚れしたのは、死神さんでした。