◆傭兵の漆黒のマリアと軍医の白銀のウルフが戦場で出遭った。左手に五芒星の力を持つ彼女と右手に六芒星の力を持つ彼は熱く戦った末恋に落ちた。日本で結婚して強いママとエリート医師の一粒種として三浦美舞を授かる。お産はウルフの方が落ち着かなかった。左右に両親の力を受け継いだ僕っ娘美舞は高一になると男子空手…

 チャリンチャンチャリンチャン


「僕こと三浦美舞(みうらみまい)は、女子高生やってます」

 ぺこりとお辞儀をして、美舞の登場であった。


「ちょっと人と違った能力を持っているよ」

 小四の時に、爆発させてしまった、アレであった。


「母親のマリアが、左手に五芒星の痣があって、いつも黒い皮手袋をしているんだ。職業は、元傭兵。雇われて戦地に行っていたんだ」

 小さい頃から聞かされていた。


「父親はね、ウルフ。医師をしていた友人が居なくなって、人を助けながら旅をしている内に、軍医になったのだって。それから、日本に帰化して診療所を開いているよ。そして、右手に逆五芒星の痣があるんだ」

 大好きな両親の話は内緒なのだが、この場では教えた。


「僕は、両手にしっかりとあるんだよ。間違いなく、親子だね」

 痣が嬉しいかった。絆を感じていた。


「この五芒星と逆五芒星には、闘いに必要な力があるみたい」

 何の為かは、分からなかった。


「でも腕試しできなかったから、学園に入学したらウズウズして、空手部に入っちゃったよ。しかも男子空手部だよ。先ずは、ここで鍛えて、大会も何連覇でもしたいな」

 力を使わなくても、そこそこ強い自負があった。


「ハイジ部兼空手部の栄誉マネージャーのひなちゃんとは、とても仲良しなんだ。二人で学園のアイドルっぽいよ」

 てへへと笑った。


「それなのに、玲(れい)君が、現れてから番狂わせだよ。僕は、これから、どうなるのかな? 嬉し、恥ずかし、初デートに行ってきました! ビシッ。ちゅーなんてしないよ」

 どぎまぎの美舞であった。


「ここから先は、読んでくださいね」

 お願い致しますのご挨拶。


「先ずは、両親の出逢いからどうぞ」


 ぺこり。_(._.)_。


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2020.9.26 初出

2021.8.21 改稿

2022.5.30 改題



いすみ 静江