地球のどこかにあるプレアデス魔導学園では、学園内の施設で就業体験をする事が義務付けられている。図書館員や魔法生物の飼育係、箒パトロール隊に占い師アシスタント、魔法薬の販売員など様々な職業を選択する。(給料も支給される)


 多くの職業は簡単な面接と筆記試験のみで、すぐに働く事ができる。しかし、面接ならびに本格的な実技試験と筆記試験が課され、狭き門ながらも人気が高い職業が存在する。


 それが、学内プラネタリウムのアストロウィザード(ウィッチ)である。

 彼らは、魔法を使ってプログラムの作成からプラネタリウムの操作までを全て自分たちの手で行い、占星術の学習支援やエンターテイメントの提供など、幅広く活動している。アストロウィザードたちのプログラムを見て多くの新入生が憧れを抱くも、合格率は非常に低い。


 4月。主人公ウリン・インティは、合格率の低さに自信を無くし志願すら諦めかけていたが、ルームメイトであるヘルメスや、プラネタリウムの管理人に促されて、志願を決める。


 志願した一年生は面接を受けて十五名ほどに絞られた後、5月から約3か月間、座学と実技の研修を受ける。ウリンとヘルメスはめでたく研修生に選ばれ、同じく研修生であるミカやアレス、指導教官、管理人たちとともに研修に励む事となった。


 研修生たちが最初にぶち当たる壁は、ポジション決めだ。


 プログラムを上映する際には魔光学式プラネタリウムを操作しなくてはいけない。この時、アストロウィザードたちは3つのポジションに分かれる。


 32枚の星が描かれた小さなフィルムに魔法陣や星座図を書き込む「スターフィルム」。そして魔法陣や星座図を発動させる魔力の結晶を作る「アストロエレメント」。最後が、プラネタリウムを実際に操作し、プログラムを進行させる「パフォーマー」である。パフォーマーは、星空の時間、場所、方角、年月日に合わせて惑星と恒星の軌道を操作するので、ペアを組む。


 ミカ、ヘルメス、ウリンの3人はポジションを決めるうちに、自身のコンプレックスや過去に向き合っていく。ミカとヘルメスがポジションを決める中、なかなか自分のポジションが決まり切らないウリンは、ある日パフォーマーの研修中にアレスと真っ向から対立する。自分だけが前に進んでいないと焦り始めるウリン。

 そんな時、ウリンの唯一の肉親である祖父が倒れたと連絡が入る。


 祖父との対話を通して、ウリンは自身のポジションを決める。

 そして、ついに最終実技試験のグループが発表された。ウリンたちのグループは、試験に向けて動き始める。