ヨーロッパのとある森林地帯に隠された、魔法の国ヘレウス。
文明が独自に発展したその国では、魔力をキャンディへと変えて精霊へ差し出し、
対価としてその力を使うことで魔法が成り立っていた。

ヘレウス国の名門貴族、マーティン家の当主イアンは、ある日禁術を行う。
自分の魂を他者の身体へ転移させる『レッド…

物語全体のあらすじ


ヨーロッパのとある森林地帯に隠された、魔法の国ヘレウス。

文明が独自に発展したその国では、魔力をキャンディへと変えて精霊へ差し出し、

対価としてその力を使うことで魔法が成り立っていた。


ヘレウス国の名門貴族、マーティン家の当主イアンは、ある日禁術を行う。

自分の魂を他者の身体へ転移させる『レッドキャンディマジック』。

明るみに出れば牢獄行きが確実となるその禁術にイアンが手を染めたのは、

マーティン家当主が代々受け継ぐ呪いのせいだった。

イアンは貴族としての誇りが高く、義務を果たすことを使命としている。

だが幼い頃から身体が弱く、満足に義務を果たせない自身の欠陥だらけの身体を許せず、

手放すために禁術を実行したのだった。

だが禁術は失敗に終わり、絶句するイアン。

調べると、第三者の干渉があったことが判明し、

メイドのエミリア、友人のガイ、いとこのセシリィの協力を得て、

干渉をした妨害者を探すことに。


様々な手がかりをたぐり情報を集める中、

たびたび体調を崩すイアンを献身的に支えるエミリア。

エミリアはイアンを、そしてイアンもエミリアを想っているが、

身分の壁に阻まれ二人は一線を引き、主人と使用人として互いを支え合う。

ヘレウス国は徹底的な貴族社会で、

上流市民が地上に、貧民が地下に住み、エミリアも地下街出身だった。


そんな、この国の闇ともいえる地下街に有力な情報があると、イアンの元に知らせが届く。

貴族が地下街に赴くのは危険だと承知の上で、イアンはエミリアとともに地下街へ。

予想通り襲撃に遭うが、イアンを襲ったのは禁術の妨害者ではなく友人のガイだった。


友人の裏切りで窮地に陥ったイアンを助けたのは、意外な人物で……。