生贄だった私が神様の後宮入り⁉ ~姫様たちはみんなもふもふです~

作者朝陽

農業が盛んな小さい村で暮らすさよは、村長の妾だった母親を亡くしてからは村人全員から厄介者として扱われ、村の下働きのようなことをして過ごしていた。それでも健気に生きていたさよだが、村では雨が降らず日照りが続いたある年、水神に捧げる人身御供にさよが選ばれた。

池に沈められたさよが目を覚ますと、周りを…

物語全体のあらすじ


農業が盛んな小さい村で暮らすさよは、村長の妾だった母親を亡くしてからは村人全員から厄介者として扱われ、村の下働きのようなことをして過ごしていた。それでも健気に生きていたさよだが、村では雨が降らず日照りが続いたある年、水神に捧げる人身御供にさよが選ばれた。


池に沈められたさよが目を覚ますと、周りを取り囲むようにしていたのはツキノワグマをはじめとする動物たち。しかも二足歩行をして、服を着て、槍まで持っている。さらに動物たちは皆、さよの理解できる言葉を話しているではないか。ここは死後の世界なのかと思うさよの真横には、小柄で見たことのない鳥がいた。どうやら周囲の動物とは仲間ではなく、警戒されている様子だ。あとから現れた水神の眷属であるヤタガラスから、さよは冬殿の姫として水神に認められたのだと説明をされ、冬殿で暮らすように告げられる。


豪華な部屋で鳥に種類を問うと「ペンギンだ」と返ってきた。聞いたことない鳥の名前に戸惑うさよの元に、今度は黒毛のモモンガが現れる。さよのお付きとして派遣された女官は初め怯えていたものの、さよの優しさと、撫でテクニックにより、心を開くように。


後宮には春、夏、秋、冬の四殿があり、それぞれに姫がいるとペンギンとモモンガから説明を受けるさよ。姫たちはしきたりにのっとって嫁いできたが、冬殿の姫は水神が直接選ぶのもあって、ずっと空席だった。しかしこの後宮に人間が入れるのは直接水神が招く以外にありえないため、ヤタガラスを始めとした水神の配下はさよを冬殿の姫と認めたのだろう、ということだった。

あまりにたくさんの情報を目と耳にして混乱したが、それでもペンギンとモモンガという話ができる相手がいることをさよはとても嬉しく思う。


 翌日、各殿の姫の顔合わせがあると言われ、慌てながら支度を始めるさよ達。他の姫の女官から嫌がらせをされる中、なんとか仕上げて出席すると、そこに並んでいたのはやはり動物たち。春殿のオコジョ、夏殿のヤマネコ、そして冬殿はなんと白虎だった。それぞれの愛らしさに仲良くなりたいと意気込むさよだったが、その道のりは険しいようで……


 過酷な生い立ちの主人公が、前向きさと特技を駆使して後宮で成り上がっていく、和風ファンタジー。