佐野はただひらすらに恋をしている。
雛が親鳥から離れられないように盲目的な想いを抱えて。
見つめるだけで良いと思っていた毎日、永遠に叶わないと思っていた。
そんなある日、彼女の”隙”を見つけて付け入ろうとした。
しかし本当は”隙”に付け込まれたのかもしれない。
幸か不幸か、どこへ向かうのか――。

その細い肩や腕にどれだけの荷が乗っているのか

それを想像する度に彼女を深く知りたいと欲する


僕は彼女に囚われている


この想いを隠したまま日常は光の速度で進み続け

気付かぬうちに彼女の存在が僕の心をより深く侵食していく


執着なんてするタイプではなかった

これかもずっとそうだと思っていた

けれど彼女を一目見た時からもう彼女の存在は脳裏を離れず

衝動に身を焦がした