物語全体のあらすじ
社会人二年目のアリサは、ある日事故で異世界ヒルデベルトに転生してしまう。
アリサはそこで『聖女』と呼ばれ、三人の王子のいずれかと結婚して世継ぎを孕むように言われる。何故自分がと尋ねると、ヒルデベルトでは王族だけが『魔法』を使うことが出来、それは聖女との血を引いているおかげだそうだ。
もちろん拒否しようとしたアリサだったが、異なる世界の体なため、王子たちの魔力(体液)をもらわなければ死んでしまうという秘密を大臣から教えられる。いきなりのことに当惑しつつも、とりあえずは王子たちと会ってみることに。
王子は三人いたが、それぞれ非常に仲が悪かった。
戦いを好み冷徹な言動をするイザヤ、平穏を愛し研究最優先のキリアン、兄たちに比べ才はないが、国民から愛されるハルト。
魔力のことは秘密にしてもらい、『聖女』が現れたという説明だけをしてもらう。だが大臣から事情を聞いた王子たちは、三者三様の態度。アリサもいきなり魔力をもらうなどできるはずがないと、まずはそれぞれと会話をしようと考える。その中で、アリサは兄弟たちが抱えているすれ違いを少しずつ修正していく。
王子たちのコンプレックスを解消し、少しずつ受け入れられたと思った時、いよいよアリサの体に限界が来て倒れてしまう。
王子たちは驚き、さまざまな思惑の中、それぞれがアリサを抱く。
一命をとりとめたアリサは、それぞれに感謝の気持ちを伝える。王子たちはアリサが元気になって嬉しい反面、誰か他の王子のものになってしまうのでは、という不安にかられる。
ふたたび険悪になりかける王子たち。
だが『聖女』と契ることで『魔法』を得られると知った隣国の王子がアリサを誘拐。犯されかけたところを、互いの長所を生かし結託した王子たちが救出する。
彼女を守るためには、仲たがいをしている場合ではないと知った三人。アリサを『聖女』として守り続けようと決心。彼女の気持ちが一つに定まるまで、この関係は続いていくようである。