「さっきはごめん。」(どうしてもキミの涙が気になって…)こんな風に、図書館で女の子に声をかけてのは初めてのことだった。ここは森の中の小さな図書館。これはボクの昔話。淡い恋の思い出。
水曜日の図書館
「さっきはごめん。」
(どうしてもキミの涙が気になって…)
この森の図書館には老若男女がやってくる。
カノジョが初めてこの森の図書館に入ってきた時、
ふわっとした綻(ほころ)びの風が流れて、
ボクはなんだか気になって、
気がついたら目で追いかけていた。