あやかしは一生に一度しか恋をしないという。
しかしあやかしたちは、恋を語らない。
恋はおとぎ話か、それとも本当に存在するのか。

人もあやかしも、誰かを想う――。
人とあやかしの哀しくも美しい愛の物語。

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隠世でのルール

一、 生きた人間の立ち入りを禁ずる

二、 あやかし同士の殺生を禁ずる

三、 現世への行き来は認められた者のみとする


〈あらすじ〉

 星野晴太せいたは原因不明の病に蝕まれていた。治療法はなく、このままでは死に至ると余命宣告まで受ける。幼馴染で恋人の松本夏菜なつなとの結婚式は延期になり、仕事も退職し、たったひとりの身内の祖母を亡くし、絶望のどん底だった。


 一方、あやかしだけの世界〈隠世かくりよ〉で金魚のあやかしすいは亡者と出会う。亡者は人間の住む〈現世うつしよ〉に大切な孫――晴太をひとり残してきたことを心配していた。翠はあやかしの中でも特別な力を持つ姫。どんな病でも治せる力があった。そこで翠は、隠世を統括している九尾の狐――鬼灯ほおずきに現世へ行く許可をもらいに行く。翠の護衛として猫のあやかし木蓮もくれんもお供することに。しかし鬼灯は、三日間で晴太が翠に恋をし好きだと言えば治してやってもいい、と条件を出す。


 かつて大昔、人もあやかしも現世で暮らしていた。しかし、いつしか現世はあやかしたちにとって暮らしにくい世界となってしまい、鬼灯が創り出した隠世へと移っていった。鬼灯は千年以上の時を生きる大妖怪。人間を喰らい、その美貌を保ってきたと言われている。そんな鬼灯にも、秘密があった。


 それぞれが強い想いを心に秘め、誰かを想う。

 人間が住む現代の現世と、鬼灯が創り出した二百年前の古き良き日本が留まる隠世。

 人間とあやかしの恋の物語がぎゅっと詰まった、大人のための恋愛奇譚!


主要登場人物

星野晴太…26歳営業マン。心優しく婚約者の夏菜を愛す。

松本夏菜…26歳介護福祉士。晴太とは小さい頃から結婚の約束をするほどの仲。

翠…金魚のあやかし。あやかしの世界でも貴重な存在で人間に興味津々のお姫様。

木蓮…猫のあやかし。翠の護衛としていつも一緒にいる。

鬼灯…隠世を創った九尾の狐。かつて現世にいたあやかしを総括し、隠世へ移した。

銀治…ぬらりひょんというあやかし。隠世では骨董屋を経営している。





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『わが家は幽世の貸本屋さん』とのコラボ小説コンテストに参加しています。

書きおろし作品ですので、たくさんの方に読んでもらえると嬉しいです。


2021/5/10 ペンネーム変更に伴い表紙を少し変更しました。


#和風あやかし