「僕は茂上彰良。キミの夫だよ」

記憶を失った由衣を介抱した男は、自分のことをそう名乗った。

甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる自分の夫に、由衣は少しずつ惹かれていく。

自分の過去も、彼の過去も知らないまま――。