◆何でも屋でスナイパー、コードネーム・Aya(アヤ)は、小さい頃、情報屋のKou(コウ)と出会い、共に仕事をして来た。彼女は、ほのかに彼を想っている。けれども、Kouはクールに仕事仲間としてしか扱ってくれない。雨が降ると二人は出会える。その縁を大切にして来た。高価なバイオリンの見張りが終わると、李…

 Ayaは、いくつか考えると『J』の事件が解決していないので、胃薬を飲むKouを心底気遣っていた。

 むくは、Ayaを直感的にいとおしく思い、共に悩み出した。

 二人の邂逅は、たゆたゆと流れた。


「むく様は、ある意味しんゆうだわ」

「しんゆうとは何ですか?」


「神のようなお友達。神友しんゆうよ。ねえ、そう思わない?」

「むくをお友達にしていただけるのですか」


「むく様とは同じ香りがするの。心の羽をもがれた同士。神友、よろしくね」



 むくが黙って笑顔でいると、Ayaも微笑み返した。




☆☆☆


2021.07.16 初出


いすみ 静江