学校をサボったいろははローカル線に乗車する。終点までの1時間5分。私の隣に腰を下ろす乗客たちは、なぜか皆──涙を流して降車してゆく。
ボックス席。変わりゆく景色。
ローカル電車に乗り込んだ私の前に、
「君のことは何でも知っているよ」
見知らぬ男の人が座ってきた。
それは1時間5分の奇跡。
隣の席に乗車してくる人たちはなぜか皆、
──…涙を流して降車してゆく。