※掲載中の『かすみ燃ゆ』の前日談であり、一部に重複表現があります。

東の果て、遥野郷安是の里では、女は恋をすると光る。だが、かすみは十八になっても光らず、〝かすのみ〟扱いをされていた。
娘頭は今日も今日とてかすみを山へ遣いにやる。
夜の山は危険であり、人の領域ではなかった。事実、一年前の秋祭の晩…