入学式の日、舞台に堂々と立つ生徒会長を見て「嗚呼、あれが本物の‪α‬だ」と思わされる栗原聖くりはらせい。成績優秀・運動神経抜群で財力も地位も何もかも持っていて皆に優しく性格も良く教師からも評判がいい文句のつけ所がない生徒会長、富美山桜河とみやまおうが

しかし、自分の目線よりも高いところにいるその男には見覚えがあった。小学生の頃、公園で会っては遊んでいた少年だと分かった。あんなに綺麗な顔をした男はあの子以外に見たことがなかったから。

だけど3年の桜河が新入生の聖に気づく訳もなく平和な1ヶ月を過ごしていた時だった。‪α‬の優等生ばかりで息が詰まる日々に少し疲れて人気のない校舎裏で1人になっていたら、ふとタバコの匂いがし、上を見上げると紫煙を吐き出す桜河と目が合った。驚き逃げ出すもあの姿が頭に焼き付いて授業に集中出来ずよく寝付けなかった。


次の日、1年のフロアがざわつき何事かと思えば教室に桜河が現れる。喉の奥がひゅっとし、どうしようかと考えていると「桜河」と名前を呼ばれ生徒会室に連れていかれ、昔話をする間もなく「会いたかった」と抱きしめられた。


思わぬ再会に昔芽生えた淡い恋心を再び燃やす2人だけど、男同士な上に互いに‪α‬だという高い壁が立ちはだかる。

2人に待ち受ける運命とは___