α、β、Ωという性別が存在する世界で、真面目な高校生・樋田祐貴(α)は、油絵で自画像を描くという美術の自習中、裸体を、それから躊躇いもなく歯形や傷を描く男子生徒を見つける。
休み時間に先程の男子・叶世翼(Ω)に声をかけられ売春していることを明かされた樋田は、彼の自嘲する様子を見てちからになりたいと言うものの、偽善者だと一蹴されてしまう。
ある日、体調不良に陥っている叶世を見つけた樋田は拒絶されるも放っておけず、保健室まで運ぶ。その途中、叶世が助けてと呟いたことをきっかけに二人は距離を縮めていく。
樋田の友達・佐々木との会話の中で笑顔の裏側のくるしさについて考えた叶世は、樋田もほんとうはくるしいのではないかと思うも、過去のトラウマから樋田を傷付ける言葉を吐いてしまう。
樋田はそんな叶世に自分のことを考えるきっかけをくれてありがとうと伝え、叶世もそんな樋田へ胸の内に秘めていたくるしさを話していく。
すると樋田は、もっとお互いのことを知るため、そして柔和な考え方を得るために青春を体験しようと提案した。
真面目なお人好しアルファと人間嫌いのオメガが、互いにすくいだす話。