主人公は20代のシングルマザー河北恵子。
まだ0歳の娘はユメという。
かつて恵子はアイドルを夢見てダンスの練習に励んでいたことがあった。
しかしそれも昔の話。
今は生活費を稼ぐためにユメを背負いながらポスティングをしたり、内職したりと現実真っただ中の日々。
そんな恵子が秘かな楽しみにしているのが夜見る夢である。
ユメに授乳しながら眠りにつくと10代のかわいい女の子になっているのだ。
しかも、身が軽くて、跳ぶようにダンスが踊ることができる。
その容姿と身体で、かつてダンスの練習をしていた駅の近くのスペースに行き、踊る。
現実の世界では得ることができない解放感。
そんな夢の中に現実の男が現れる。
高泉弘也は芸能事務所の社長。
もうすぐ女性アイドルグループをデビューさせることになっていた。
デビュー前なのにMVはカッコイイとネットでは評判となっている。
順風満帆に見えたそんな中、中心メンバーが喫煙写真を撮られて活動辞退。
どうしても代わりを見つけてデビューさせようと新しいメンバーを探し回る弘也。
そんな弘也が目にしたのが十代になっている恵子だった。
ここに夢と現実が交錯する。