汐見と朝霧は、通常のデバッグでは取り除けないゲームのバグを、直接ゲームの中へダイブして取り除く、通称『デダイブ』の仕事を請け負っていた。
既に珍しくもない、オンライン上でのみの仕事の付き合い。デダイブもVR上で行うため汐見と朝霧は直接の面識はなかった。

汐見はどこにでも溶け込める存在感の薄さを買…

ストーリー概要および物語の設定


汐見と朝霧は、通常のデバッグでは取り除けないゲームのバグを、直接ゲームの中へダイブして取り除く、通称『デダイブ』の仕事を請け負っていた。

既に珍しくもない、オンライン上でのみの仕事の付き合い。デダイブもVR上で行うため汐見と朝霧は直接の面識はなかった。


汐見はどこにでも溶け込める存在感の薄さを買われてデダイバーとしてスカウトされており、それはリアルでも変わらない。このまま朝霧とは直接出会うこともないだろうと思っていた矢先、通っていた大学で偶然出会う。


リアルで関係を構築する気のない汐見と、リアルでも交友を持とうとする朝霧。

地味で存在感のない、塩対応の汐見と、派手で目立つ、砂糖のような朝霧。

相反する考えと個性を持ちながらも、ふたりはデダイブを繰り返す。


他人への興味も感情も『バグ』と同じでない方がいいと思っていた汐見であったが、朝霧の内面に触れていく内に、単純に切り捨てなくてもいいのではないかと考えるようになるが……。


本当にいらないものなんて、ないのかもしれない。