ジュニア -- リョーマとガイコツ --

作者中島トビオ

あらすじ
慶応三年旧暦十一月、京都で起こった坂本龍馬の暗殺。この事件の翌年、徳川幕府はその三百年の歴史に幕を閉じ、「明治」という新しい時代が幕を開けた。
はからずも、新時代の到来を誰よりも望み、新しい日本と共に歩み出そうとしていた龍馬の死の直後に、皮肉にも日本の歴史は大転換を迎え、国際国家として歩…

ジュニア 概要

 


明治十八年、東京浅草の写真館で五人の若者が出会った。

 街の何でも屋「ジュニア」、駆け出しジャーナリスト「ガイコツ(宮武外骨)」、薙刀の美少女「千鳥」、次代の大建築家「ケイジロー(山下啓次郎)」、純情青年「キンちゃん(夏目漱石)」。

彼らは、偶然にも明治維新の前年、「慶応三年」生まれの同い年(十八歳)だった。

「吉行の行方を教えろ! お前は知っているはずだ」

 ジュニアの前に「虎道」と名乗る武士崩れの男が現れた。「吉行」とは、幕末の英傑「坂本龍馬」の愛刀「陸奥守吉行」で、龍馬の暗殺後、長らく行方知れずとなっていた。

何と、ジュニアは龍馬の息子なのだった。

実はガイコツも「吉行」を「追って」いた。

「何故、坂本龍馬は暗殺の場で、愛刀陸奥守吉行を抜かなかったのか? これは幕末最大の謎なんだ!」

 新しい時代を闊歩する彼らに加えて、破天荒な写真師「レンジョー(下岡蓮杖)」、幕末の立役者「海舟翁」、龍馬の恋人だった「サナ(千葉佐那)」 ……世代、立場をを越えた有名無名架空の人物が、若い国、日本を舞台に活躍をする。