少女漫画の悪役令嬢になった俺が甲子園で「代打、わたくし!」と叫ぶまでの約120日

作者イシダしおん

久留米耕一郎31歳、身長187センチ体重95キロ、才能と人生を野球に全振りしてきた男。
「野球やってなかったらお前死んでたかもね」と言われるほどにアホ。
そんな耕一郎の隠れた趣味は少女漫画。最近ハマっているのは野球部のマネージャーを主人公とした青春マンガだ。
甲子園を目指す少年たちを支える主人公と…

久留米耕一郎31歳、身長187センチ体重95キロ、才能と人生を野球に全振りしてきた男。

「野球やってなかったらお前死んでたかもね」と言われるほどにアホ。

そんな耕一郎の隠れた趣味は少女漫画。最近ハマっているのは野球部のマネージャーを主人公とした青春マンガだ。

甲子園を目指す少年たちを支える主人公と、野球部エースとのほのかな恋愛模様。その2人を醜い嫉妬で引き裂こうとしてくるライバル役のおセレブ女子、龍造寺玲香には本気で腹が立っていた。

そんなある日、打席で耕一郎はデッドボールを頭部に受け、そのまま意識を失ってしまう。

目が覚めると、知らない夫婦がこちらを覗き込んで泣いていた。

慌てる耕一郎と、娘が助かったと喜ぶ夫婦。混乱しているうちに、この身体が「耕一郎」のものではないと気がつく。

直前まで読んでいた漫画の世界、それもライバルの「龍造寺玲香」に転生してしまった耕一郎。

やがて入学した学園、入学式当日に野球部の練習を見てしまった耕一郎(玲香)はたまらずに叫ぶ。

「ヘッッッタクソ」

キレた部員たちを前に、一球勝負を挑む耕一郎。

この一球から、玲香が監督として甲子園へ向かう夢が始まる。