間違ってますよ、生霊さん

作者久島ケイ

 会社事務員として働く和泉莉子は、ある日生霊に憑りつかれた。莉子は生霊に声を掛ける。
「多分ですが、憑りつく人……間違えてると思います」
「……あんた、俺が見えるのか」
 莉子は霊感が強く、幽霊をはっきりと『視る』ことができる人物だった。そして生霊に対して解決策を提示するも浮かない表情を見せる。そ…

▶ストーリー概要および物語の設定

 会社事務員として働く和泉莉子は、ある日生霊に憑りつかれた。莉子は生霊に声を掛ける。

「多分ですが、憑りつく人……間違えてると思います」

「……あんた、俺が見えるのか」

 莉子は霊感が強く、幽霊をはっきりと『視る』ことができる人物だった。そして生霊に対して解決策を提示するも浮かない表情を見せる。そこで生霊となった原因の一端でもある双子の姉、茉子を呼び寄せることにした。姉の茉子は莉子より霊感はないものの『祓う』ことに長けていた。

「ねえ、なんでこんなモノが莉子の家にいるわけ?」

 辛辣な言葉を放つ姉の茉子。怯える生霊。頭を抱える莉子。生霊になった原因とは。そこには意外な理由があった……。


 そして、無事解決したかのように見えた生霊事件だが、なぜか起こり続ける霊的事象。その原因は一体どこにあるのだろうか。


 当たり前だった平穏な日々に、ちょっとした非日常的な出来事が巻き起こした事故のような事件。

 堅実に生きる莉子と、どこかドジな生霊。そして自由に生きる莉子の姉、茉子。

 この三人が織りなす、少しの笑いと少しのシリアス、そして微々たる恋愛を混ぜ合わせた現代ラブコメファンタジー。