仕事人間だったはずが、何かを踏み外した。
現実生活から逃げて田舎の実家付近に仮住まいをするようになった「わたし」。
住所も新しい電話の番号も知人には伝えないまま、あてのない生活に突入する。
ある日、必要なものを実家の自室から持ち出そうとしたところ、古いぬいぐるみが俺を連れてゆけと語り掛けて来た。