うゆさんへ
返信ありがとうございます。
自慢するつもりは微塵もないのですが、実はこの「あの日の二人はもう居ない」の他にもう一つ、やはりこの「あのふた」のもう一つの後日譚でもある、「真夏の風の中で」という小説もダブルで通過してもいるのです。一時はワンツーフィニッシュも夢に見ていたのですが、やはり現実はそんなに甘くありませんでした(汗自虐笑)。
若い頃、それはそれは真剣に書いていた事があったのですが、長編小説三冊分のネタになるぐらいの様々な事情から(悲笑)、長い長いスランプに陥ってしまいました。数年前、突如として再び筆を取り直して書いたのが、拙著「忘れ花火」でした。元ネタは、何を隠そう安室奈美恵さんの「can you celebrate?」です(昔の歌なので歳がバレそうで怖くて怖くて仕方ありません)。これまたやはり、「誰かの凪のあと」と同様、若い頃に思いついたものの、納得いくレベルに仕上がらず挫折した作品を今の自分の技術や知識でリメイクした物でした。
長い長いスランプを経て、再び折った筆を取ったのにはもちろん理由があります。数年前、超平和バスターズの、「心が叫びたがっているんだ」というアニメを見たのがきっかけでした。この映画に痛く感動した僕は、「主人公である成瀬順ちゃんのように僕もまた物語を書いてみたい」と思ったのです。長いスランプに陥っていた僕は、まるで失語症から回復した成瀬順ちゃんのように、そしてまたまるで魔法にかかったかのように、なぜか突如として書けるようになってしまったのです。
さて、起承転結の結です。僕なりの考えを言います。慌てる事は少しもないと思います。書ける時は書けるんです。そして、書けない時は何をどうしたって書けないんです。むしろ逆にあがけばあがくほど自分を見失うだけです、苦しむだけです。頑張り過ぎるとかえって辛くなります。そしてまた僕のように、何十年もして急に見えてくる部分もまた事実あるのです。つまり、結局のところ、物事はなるようにしかならないのですよ。うゆさんにはうゆさんのリズムやペースが必ずあります。お互いゆっくり丁寧に、そして何より美しく、創作活動を楽しみましょう☆