母活*婚活、初心者ですが、何か問題でも? ~子供が寝た後に大手ゲーム会社、副社長は動き出す〜【完】

作者土屋カヲル子

今だから笑い話のネタにもなるが、大手ゲーム会社の副社長にまで上りつめた三宅宗一郎の人生は波瀾万丈であり、失敗の連続だった。十年前に最初の妻、照美と離婚し、宗一郎に残されたのは照美との間にできた2人の子供達だけだった。当然、宗一郎に子育てなどできず、2番目、3番目の妻をもらうが、結局、離婚。それでも…

「―――真斗ちゃんも亜末ちゃんも、もう寝ました」


 そう言って、妻はダイニングキッチン・リビングに入ってくると、

『宗一郎さん、話があります』と、妻はキッチン棚の引き出しから【離婚届】を

取り出してきて、ダイニングテーブルの前に座る俺の前に座り、それを突き出してきた。


俺に何の落ち度があったのだろうか……。


考えても考えても思い当たる節などなかった。


 仕事も真面目にこなしてきた。小さなゲーム会社を3Dインターネット通信企業大手ゲーム会社までにしたのはこの俺だ。この企画が上層部に認められて副社長にまで昇進したというのに、なのに……なぜだ? 全ては妻や子供達の為じゃないか……。仕事に没頭しすぎて、家庭や妻のことをかえりみずに最初の妻と二番目の妻には悪いことをしたと思っている。だからこそ、今度は仕事を家庭に持ち込まないようにしていた。定期的に妻と夜の営みもしてきたつもりだ。俺よりも16歳も年下の妻の相手をするのは相当体力がいる。俺はそれなりに栄養ドリンクを飲みながら頑張ってきたつもりだ。それに年収だってそんなに悪くはないと思う。普通のサラリーマンの年収は約450万円くらいだろう……。それに比べれば俺の年収は1000万円。一般人より少しは楽な生活をさせてきたつもりだ。ブランド品のバックや服が増えていっても俺は文句の一つも言ったことがないし、俺の身体で補えない分ブランド品を代償にしてきた妻に対してしょうがないと思っていたからね。俺は君に対してとても紳士的だったと思っている。


君はこれ以上俺に何を望んでいる?


お金か? それとも身体か?


俺が社長にでもなれば君は満足するのか?


君の身体をもっと、もっと愛撫すればよかったのか?


それとも、俺のキスが悪かったのか? 口の臭いがしたのだろうか?


いや、それはないはずだ。俺は夜の営みをする前にはキチンと歯磨きは念入りにしていたし、エチケットケアだってしていた。

それに若い時から現在に至って俺のキスが嫌だって言う女性はいなかった。

 



「俺の何が不服なんだ…」


「あなたは子供達には優しいわ。でも、私の心までは満たせなかったの」


「え」


 やはり、身体の相性かあ。いや、心の相性?



「あなたが欲しかったのは、あの子達の母親になってくれる人です。 やっぱり、私はあの子達の母親にはなれません。離婚してください」


「大丈夫だよ。そのうち、あの子達も君になついてくれるから」


「ごめんなさい、私のお腹には彼の子供がいるんです」


「え……」


離婚の原因は妻の浮気だった―ー―ー。


 しかも、妻のお腹には浮気相手の子供がいるーーーー。



俺に落ち度があるとするなら、妻との間に子供を作ろうとしなかったことだ……。


 

俺はすでに書かれた妻の名前の隣欄から順に向かって名前、住所、その他必要項目を書いた後、妻に言われるままにハンコを押した――――ーーーー。





 これで3度目の離婚が成立した――――――ーーーーー。