顔が好きって言わないで。

作者あると

「大神の顔が好き」
無口で無表情なクラスメイトから突然そう告げられた。

大神康介はクラスメイトの一ノ瀬澄から「顔が好き」と告げられる。そして一ノ瀬が手作りするスイーツと引き換えに『お礼』をする関係が始まる。顔が好きな一ノ瀬へのお礼として、見つめられたり、写真を撮られたり、デートをする。そのうちに大神は一ノ瀬の人間性を知り、段々と心惹かれていく。

 しかし、一ノ瀬はこの関係が始まった当初から「顔が好き。大神のことは別に好きでもなんでもないから、勘違いしないで」と言っていた。そのことを思い出して一旦は落ち込むが、一ノ瀬に自分の内面も好きになってもらおうと奮闘する。

 それでも相変わらず「顔が好き」しか言ってくれない一ノ瀬に、大神は「もうやめよう。こんな関係」と告げる。失恋した気持ちで一ノ瀬と距離を取った大神。しかしその頃には一ノ瀬も大神の内面を好きになっていた。「中身も好き」なんて言ったら大神が引くと思って自分の気持ちを隠していた一ノ瀬だったが、大神を失いたくない思いで勇気を出して告白する。ようやく二人の想いは通じ合い、付き合うことになる。