マフィアのお嬢と血みどろの狂犬

作者夏野まりん

マフィアの父親の下で育ち、銃の扱いには長けていた私。
父が抗争に負け傘下に下ることになったファミリーでそんな私がバディーを組まされたのは、かわいい顔して血溜まりの中で悪魔のように笑う戦闘狂だった。

 昔イタリアからアメリカへ渡ったマフィアは、今も人知れず巨大犯罪組織として日夜暗躍している。「裏切者には死を」という血の掟を掲げながら。


 父のファミリーが抗争に負け、敵ファミリーの傘下に入ることまではいい。そういうこともある。裏社会に生きてるんだから覚悟の上だ。

 ただ、私がバディーを組まされるのがこの男だって?! ナイフ片手に嬉々として血を浴びてるこの戦闘狂が?!

 今すぐバディー解消したい。

「やだ、俺お嬢がいい」

 ……何でよ!