極道の家に生まれ育った大学生の朱莉は、10年間、自分の世話人をしている、組の若頭・鷲見に片思いをしていた。そんな鷲見の正体を、他の誰でもない朱莉だけが知ってしまう。なんと彼は、警察のエリート潜入捜査官だった!その上、正義を遂行するためには手段を選ばない、冷酷かつ危険すぎる男。

「黙っていてくれますね? ――俺とあなたの仲だ」

しかも、組の弱みと引き換えに「俺と偽装結婚しろ」と強引に迫られてしまう。胸に決意を秘めた朱莉は、結婚を承諾し、逆に宣戦布告する。

「私があなたを一番近くで見張ります 組のみんなには手出しさせない」

「――ああ 退屈せずにすみそうだ あなたの夫になるのは」

みんなの前では、過保護な若頭として命を賭してまで守ってくれる鷲見。しかし、二人になると、ドSな警察官として何度も強引に迫ってきて……。惹かれてはいけない相手だと知りつつも、翻弄され、気持ちが揺れ動いていく朱莉。一方の鷲見も、朱莉と触れ合う中で朱莉への好意を自覚。頑なだった価値観も変化し、朱莉を本気で求めるようになる。その後、組は解散し、任を解かれた鷲見は本来の警察官として復帰。しがらみを乗り越え、二人は結ばれる。