ポンコツ魔王と騎士姫物語

作者月 陽陰

白馬に乗った王子様に憧れていた。
いつか……。と、そう思っていたけれど、誰に話しても笑われるばかりだった。
そんなにおかしいことだろうか。
私が、白馬に乗った王子様になりたいというのは。
白馬に乗った王子様になりたいと望むアリスは、昔から兄達に混じって喧嘩をしたり剣術の稽古をしたり狩りに行ったりと…

白馬に乗った王子様に憧れていた。

いつか……。と、そう思っていたけれど、誰に話しても笑われるばかりだった。

そんなにおかしいことだろうか。

私が、白馬に乗った王子様になりたいというのは。

白馬に乗った王子様になりたいと望むアリスは、昔から兄達に混じって喧嘩をしたり剣術の稽古をしたり狩りに行ったりと、メキメキと力をつけていった。

だが、見た目は綺麗なブロンドの髪を靡かせる絶世の美女。

彼女を嫁にと望む者は皆、『美しい女性らしい女性』を求める者ばかりだった。そのため、アリスは全員伸した。

このままこの国に居てはダメだと、旅に出ることを誓う。

その顔を仮面で隠して。

そして、各地で噂されるようになる仮面の騎士とは、彼女のことである。