辻堂あずかり処(どころ)の怪異譚

作者岡本七緒

「それでは謹んで、お預かりいたします」

 さつきの幼馴染・航夜(こうや)の家は代々、所有者や周囲の人間に怪異や災いをもたらす「忌み物」をあずかって供養する「あずかり処(どころ)」という生業を続けてきた。
ある日、さつきは叔母からの頼みで「何度捨てても家の中に戻って来る」 といういわくつきの絵本を…