朧の花嫁2 〜忘れじの君〜

作者みちふむ

朧の花嫁の続編。朔弥の元を去り、一人横浜へ向かった清子。受け入れ先の横浜イギリス大使館には偽の清子が存在していた。行き場のない清子。サーカス団と過ごし過酷な運命に翻弄される。

涙色の海


海がこんなに深いのは

悲しい気持ちが溶けているから


潮風が強いのは

涙を吹き飛ばそうとしているから


海に散った心のしずく 

潮風よ 岸へ届けないで

このまま泡沫うたかたになって消えてしまいたい


この船に身を委ね ただ進むだけでいい

海は 涙色 

あなたを忘れることなど できるはずもないのに



海がこんなに冷たいのは

悲しい心を包んだから


カモメが飛んでいるのは

迷わないように見ているから


水面に映ったあなたの顔

白波よ どうか消さないで

優しいあなたの温もりを忘れたくないから


この船に身を委ね ただ進むだけでいい

海は 涙色

あなたを忘れることなど できるはずもないのに