おまたせしました、番さま

作者浅岸 久

フィーナはこの日、待ちに待った20歳の誕生日をむかえた。
人間ながら大きな魔力をもつ彼女は、すでに15歳のときに羆の獣人であり火羆将軍と名高いゲオルグに番として見初められていた。
フィーナ自身も彼を受け入れたかったが、人間の魔力持ちは20歳の魂染の儀式を終えるまで処女をまもらなければいけない決まり…


フィーナには夢があった。




自分を番だと言ってくれる

大好きな火羆将軍ゲオルグの元に嫁ぐこと。


15歳のとき、

獣人の彼に番として見いだされてはや5年。

20歳になり、魂染の儀式を終えた今、

彼との障害は何もなくなったはず。

なのに、彼はちっとも手を出してくれない。



本来獣人は、番を前にすると、

番を手に入れるために激しく欲情するのだという。


大人になり、フィーナも

彼の愛を受け入れられるようになったのに、

彼はいまだ、ただの保護者のように接してくる。


自分には魅力が足りないのかと

フィーナは思い悩む。




しかし、フィーナは知らなかったのだ。


フィーナの成人まで

5年も我慢させられていた獣人の劣情を。


しかも、生真面目すぎる将軍のとある誓いのせいで、

この先さらに

3ヶ月も我慢を強いられることになることを――。




はやく本当の番にしてほしいのに

将軍に距離をとられて落ち込む女の子

×

大人として接したいのに、

つい箍が外れそうになる火羆将軍



――の、

我慢我慢我慢我慢! のものがたり。




※ムーンライトノベルズ様にも置いておりますが、レイティングが異なる上、内容も一部変更しております。