灼熱と喧騒の戦禍に、お前の口ずさみが聞こえる。
火に焼かれた肌の熱、白球の皮のなめらかさ、鎧になったマスクの重み、汗と泥が目に染み、幾重にもなった鼓膜に誰かの、仲間の、今殺すべき敵の叫び声、意味を成さない音楽と声援、祈りの阿鼻叫喚、ここは夢にまで見た俺たちの地獄、俺の底、その真ん中、そのマウンドでお前が空を仰ぐ