容姿端麗、成績優秀、才色兼備と称された立花瀬凪。
彼女は学校では将来優秀な優等生として、家では大手百貨店を経営する次期社長としての重圧に耐えかねていた。
そんな彼女はある日の冬の夜、近所の神社で三味線を弾いた帰り道。

車に引かれてしまう。

気づくとそこは幕末の世だった。

立花はそこで否応な…

『こんなにも、惨い時代だったんだ…』



もしも、もしも僕がいなくなって、頼れる人もいなくなったら…、君は、この「過去」を伝えてほしい。


この先、君の言う通り、長州がもし官軍になっても賊軍だった時散ったアイツラのことは忘れないで。


これは僕が君に唯一する約束だから。


彼女が馬鹿なのも知ってる。愚脳なのも知ってる。使えないのも知ってる。


でも、今はそんな彼女を愛してしまう馬鹿な僕がいることだって、知ってる。



知らなかった。こんなにも、教科書なら数ページの時代が惨くて悲壮だなんて。


ただ思想が違う。

それだけのことだよ。


勝者がいれば、敗者がいて、悪役もいなくちゃならない。

それが世の中で、争いの結果。


情なんて存在しないんだよ。



なんで、何で思想が違うだけで、信じた道を否定されるのでしょうね…。


僕がここで死ぬことで、変わるのものがあるはずだから。




さようなら、瀬凪。