今日、親友と好きな人が結婚する———。二人の結婚式の帰り、一人公園で泣いていた陽菜子に声をかけたのは…。
「やっぱりアンタにゃ笑顔が一番だ」




私がした人と大好きな親友が、どうか幸せでありますように。



そういった私に、彼は少し顔をしかめた。





「アンタだって幸せになるべきだ」




片想いをしていた相手と親友の結婚式。





その帰り道、公園で泣いている私を見つけたのは、私が経営しているカフェの常連客。



男前で優しい小説家、時谷邦弘。




「アンタはいい女だよ。俺が保証するさ」





臆病な私を見つけてくれた。



触れた手のひらは、どうしようもなく暖かかった。