【完】狂悪男子の甘い罠

作者清見定華

大好きで大切な、たった1つの心の支えを奪ったあいつに復讐したいのに、右足の後遺症が邪魔をする。殺そうとしてもねじ伏せられて、熱を帯びた痛みが私を支配する。

 5年前、私の大好きで大切な、たった1つの心の支えを奪ったあいつに復讐したい。


 死をもって償わせてやる。そう決めたのに、あいつのせいで残った傷が邪魔する。






「次また僕を殺そうとしたら、こんな痛みでは済まないよ」




 それでも私は引き下がるわけにはいかない。






「僕のせいで痛みに歪めるその顔......興奮するねぇ」




 気持ち悪いこいつの前に、私は今日も刃を向ける。








※本作品には暴力・流血表現が含まれます。

 あらかじめご了承ください。