中嶋 まゆき

ちょっと痛く、じんわり広がる温かさ
「あまがみさま」の泣き声が聞こえるララク。
その声が聞こえるのは日照りに苦しむ村に雨が降るとき――。

泣き声が聞こえなければ、村に悪い知らせを伝えなければいけない。
でも、大切な存在に泣いてほしくはないから。
その声に淡い恋心を抱く彼の葛藤は、とても切なく読者を惹きつけます。

いつしか想いが募る頃に明かされた真実に、ララクが下した決断とは――。


ちょっとだけ痛く、切なさが胸に残ります。
それは現代の情勢や個々の闇に、誰しも心当たりがあるからなのかもしれません。
けれども、最後はじんわりと優しく温まるような希望を垣間見ることができたようで。
とても素敵な作品でした。