mimiko

幸福という名の形のない化け物
幸福のバラ、幸福キップ、幸せの青い鳥、幸福の黄色いハンカチ←古っ

この世に『幸福』と名のつくものは、一体どれくらいあるのでしょう

そこここに溢れているように感じ、誰しもが簡単に手に入れているように見える『ソレ』を
いざ自分の手のひらに掴もうとすれば、なんて難しいものでしょう

わが身からは羽根の生えた鳥のように、すばやく逃げていくのに、
他人はなんて簡単に自分のものにしているの?

そんな風に、己の不幸に唇を噛みしめた事はないですか


でもその目に見える煌びやかな『モノ』が、本当にアナタの『幸せ』なのかと
改めて問い返されるのです

人によって幸せは違う
そんな理屈はわかっている、けど、だけど……
他人を羨んだことはない?


そうやって悩み苦しみ、人を羨み、自己嫌悪に堕ちる、そんな人間が大好きな筆者さまの視点が、切々と心に訴えてくる物語です


あまりにも近くに、空気のように静かに自然に存在している『ソレ』に気づけば、世界が、変わります

筆者さまの視線はなんてやさしくて広いのでしょうか
テーマに感動し、脱帽しました