小泉秋歩

読みごたえあり!本格派ミステリー
バイトで預かった犬を見失った大学生・志免(しめん)は、犬探しを依頼すべく、あるうらぶれた探偵事務所に入った。
その探偵事務所は、女所長・加奈を始めとして、元警視庁のエリートキャリアの3人で運営されていた。
偶然にも、その探し犬は3人がよく知っている男「袴田」の飼い犬だったのだ。
そして加奈は、その袴田を射殺してしまったらしいのだが――

犬の失踪という事件と、加奈の部下射殺事件という謎が絡まって、序盤から惹きつけられます。
また、キャラクター間には複雑な人間関係があり、何気ない台詞にも深い意味が隠されていたりします。
最後まで読み終わってから、もう一度読み返すと面白いですよ♪
最初に読んだ時には、ラストがアンフェアかな、と思いましたが、読み返すとちゃんと伏線が張ってあったので、その辺りも感服です。

文章力は非常に優れており、描写は的確です。
登場人物の全て(脇役も含めて)にもしっかりした個性が与えられています。

クライマックスの暗号解読シーンは、ミステリー好きにはたまりません!
本格的なミステリーをお探しの方、さぁどうぞご堪能あれ!