菜子
感動します。
余命があと二年と宣告された主人公。そんな彼女だが振る舞いは元気はつらつ、明るく毎日を過ごしていた。
しかし、明るく過ごす反面で本当は怯え自分の心を奥底に隠し耐え、忍ぶように懸命に生きていた。余命二年と宣告されて、未来など想像できるはずがない。進路調査書などありふれたものすら、書けるはずがなかった。
そんな彼女の心に、触れたいと望む優しいひとが、彼女の世界を少しずつ救ってゆく。大切なひとの死や壁を少しずつ溶かしていく。
多少場面の切り替わりで戸惑うこともあるが、それ以上に毎日の“普通”の大切さを滲ませる、素敵な作品です。